CYMAの時計をお買取りさせて頂きました。歴史のある時計ブランドCYMA(シーマ)とはどんなブランド?

日本ではあまりなじみのない時計ブランドCYMAとは?

CYMA(シーマ)は、スイスの腕時計ブランドとして150年以上の歴史を誇ります。しかし、日本ではその知名度が高くないため、「どんなブランド?」と疑問を持たれる方も多いかもしれません。実はCYMAは、かつて腕時計の世界に大きな影響を与えたブランドの一つでもあります。今回は、そんなCYMAの歴史と魅力、そして買取についてご紹介をさせていただきます。


CYMAの歴史とは?

CYMA(シーマ)は1862年にスイスのタヴァンヌ(Tavannes)で創業された時計ブランドです。創業者であるジョセフ・シュワブとジュール・ゴルダの二人は、時計製造に情熱を注ぎ、スイス時計業界の頂点を目指しました。そのブランド名「CYMA」は、フランス語で「頂点」を意味する「CIME」、またはラテン語で「発芽」を意味する「CYMA」に由来しており、彼らの高い志を反映しています。

創業初期の成功とスイス初のオートメーション

創業当初のCYMAは、精密で高品質な懐中時計の製造を主力としていました。特に、品質管理と生産効率に徹底的にこだわり、当時のスイスで最も革新的な時計メーカーの一つとして成長していきます。1876年にはスイス初となる製造工程のオートメーション化を達成し、他のブランドに先駆けた近代的な生産体制を確立しました。この技術革新によって、CYMAは高い精度を持ちながらコストパフォーマンスに優れた時計を大量生産できるようになり、国内外の市場で成功を収めます。

1903年の大躍進と名声の確立

1903年、CYMAは超薄型のアンクル懐中時計を発表。この時計はニューシャテル天文台で第一級歩度証明書を取得し、高い精度と品質が世界的に認められました。この成功を受けて、CYMAはスイス最大の時計メーカーへと成長。1923年には年間で150万個以上の時計を製造するまでになり、世界中でその名が広がっていきました。

黄金期(1920~1940年代)

CYMAの真の黄金期は1920~1940年代に訪れます。この時期、CYMAは他のブランドとの競争を超え、独自の技術とデザインで業界をリードしました。特に、第二次世界大戦中にはイギリス軍や中国軍向けのミリタリーウォッチを大量生産。この軍用時計は頑丈で視認性が高く、戦場でも信頼される存在でした。また、超薄型時計やクロノグラフなどの革新的なモデルを発表し、時計愛好家やコレクターに注目されました。

黄金期を支えたもう一つの要因は、タヴァンヌ(Tavannes)との関係です。CYMAはタヴァンヌの技術を活用し、両者の強みを融合させた時計を次々と世に送り出しました。特に「CYMATAVANNES」や「CYMAFLEX」など、ブランド名を冠したムーブメントや耐震装置は高い評価を受けています。

革新の歩みと特筆すべき製品

CYMAは単なる時計メーカーにとどまらず、常に革新を追求してきました。その結果、以下のような画期的な製品を生み出しています。

  • 超薄型アンクル懐中時計(1903年):業界で最も薄い時計として話題に。
  • 耐震装置「CYMAFLEX」:衝撃からムーブメントを守るための独自技術。
  • バルジュー22搭載クロノグラフ(1940年代):精度と耐久性を両立したモデル。
  • TIME-O-VOX(1950年代):アラーム機能を搭載した便利な時計。
  • ネイビー・スター(1964年):耐震・耐熱・耐磁設計の防水時計で、当時の最先端技術を結集。

1966年、アンティーク時代の終焉と現行モデルの展開

1960年代に入ると、CYMAはクォーツ時計の台頭や市場競争の激化に直面します。1966年、CYMAは大規模な製造を停止し、アンティーク時代の幕を閉じました。しかし、ブランド名前自体は現在も残り、現行モデルとして一定の支持を得ています。ただし、その評価や人気は、やはりアンティーク時計の方が高い傾向にあります。


CYMAの時計が人気の理由とは?

CYMAの時計が人気の理由は、その性能の高さと美しいデザインにあります。特に1920~1940年代のモデルは、シンプルながらも洗練されたデザインで、多くのコレクターにとって垂涎の的です。

  • 高性能ムーブメント:CYMAの時計は、ムーブメント内に宝石が使われるなど、細部までこだわった設計が特徴。
  • 耐久性:耐震装置「CYMAFLEX」を開発するなど、長く使える時計を追求していました。
  • ミリタリーデザイン:第二次世界大戦中には軍用時計も製造。特に「WWW」刻印があるモデルは希少価値が高いです。

CYMAの買取のポイントとは?

現在、CYMAの時計はアンティーク市場で高い人気がある一方、現行のモデルはアンティークに比べて安価で取引されている傾向があります。ですので、一口にCYMAの時計といってもその買取価格にも幅があります。

  • 一般的なモデル(現行モデルなど):2,000円~30,000円程度
  • 高級モデル(18K使用や宝石付き):100,000円~300,000円
  • ミリタリー時計(「WWW」刻印など):200,000円前後

高価買取のポイントは?

  1. 素材や装飾
    18Kゴールドのケースやムーブメント内の宝石がある時計は現行モデルであっても高価買取となることもあります。
  2. 保存状態
    汚れや傷が少ないものほど高価買取になりやすいですが、アンティークの場合には汚れや傷があることが当たり前なので、破損があっても人気モデルであれば査定額に大きく影響しないこともあります。
  3. 付属品の有無
    箱や保証書が揃っている場合、買取価格が上がる可能性があります。ただし、アンティークの場合には付属品が無い事が大半ですので、付属品がなくても勿論買取可能です。
  4. 希少性
    生産年代やモデルによる希少価値が査定額を大きく左右します。特に1920~1940年代のモデルは希少性があるため人気です。

アンティークと現行のCYMAの違いとは?

CYMAの時計にはアンティークモデルと現行モデルで大きく分かれますが、中古市場ではアンティークモデルが高い評価を受けています。
アンティークモデルはその歴史や希少性、手作業で作られた高品質な仕上がりが魅力で、多くのコレクターに求められています。一方、現行モデルは価格が比較的安定しており、実用的に使われることが多い為、安価なものもあります。


まとめ

CYMAは、スイス時計の伝統を象徴するブランドの一つであり、そのアンティーク時計は高い価値を持ちます。日本では一般的には知名度が低いブランドですが、時計を好きな方や世界のコレクターから熱い支持を受けています。

お家に眠っている古い時計などの中に、希少なアンティークのCYMAが眠っているかもしれません。査定額が気になった方は是非一度ご相談くださいませ。時計が動いていなくても、止まっている状態でもまずはお気軽に査定をしてみてはいかがでしょうか?査定は無料となっておりますので、是非一度足をお運びくださいませ。