SEIKOのヴィンテージ時計「スーペリア」をお買取りさせて頂きました。セイコーの高精度ムーブメント「ツインクォーツ」とは?

現在のグランドセイコーのクォーツモデルよりも高精度?ツインクォーツとは?

今回は、今から約40年ほど前に発売された時計、セイコーのスーペリアをお買取りさせて頂きました。このスーペリアの特徴として、ツインクォーツ搭載機であるという点が挙げられます。文字盤の下の方にあるクォーツを示すマークが、普通のクォーツモデルとは違い、2つ重なっているようなマークになっています。

セイコーのツインクォーツとは、1978年に登場した革新的なクォーツ時計技術です。従来のクォーツ時計が1つの水晶振動子(クォーツ)を使用していたのに対し、ツインクォーツはその名が示す通り、2つの水晶振動子を搭載しており、これにより温度変化による誤差を最小限に抑えることが可能となりました。具体的には、異なる温度特性を持つ2つの振動子を使用し、一方の振動子で温度を検出し、もう一方の振動子の温度変化による誤差を補正する仕組みです。この技術により、セイコーは「年差±5秒」という驚異的な精度を実現し、当時のクォーツ時計市場で圧倒的な技術的な優位性を示しました。

特筆すべきは、ツインクォーツが現在のグランドセイコーのクォーツモデルよりも高い精度を誇っていた点です。現代のクォーツ時計でも年間±10秒程度の誤差が一般的であるのに対し、ツインクォーツは当時、年差±5秒という非常に高い精度を実現していました。これにより、セイコーの技術力の高さが一層際立ちました。

しかし、1980年代に入ると、時計のファッション性が重視され、薄型化が進行する中で高精度クォーツ時計の需要が減少しました。また、ツインクォーツの生産には高いコストがかかっていたため、製造を続けることが難しくなりました。このような背景から、ツインクォーツシリーズは1985年までに製造が終了しました。

ツインクォーツのムーブメントと搭載モデルは?

セイコーのツインクォーツには、いくつかの代表的なムーブメントが存在し、それぞれ異なるモデルに搭載されました。以下に、主なムーブメントとその搭載モデルを紹介します。

Cal. 9983

非常に高精度なツインクォーツムーブメントで、年差±5秒の精度を実現。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Superior Twin Quartz
    • SEIKO King Quartz
    • SEIKO Grand Quartz

Cal. 9943

1978年に登場したグランドツインクォーツシリーズのムーブメントで、年差±10秒の精度を持つ。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Grand Twin Quartz
    • SEIKO Superior Twin Quartz(一部の高精度モデル)

Cal.9923

標準的なツインクォーツムーブメントで、コストパフォーマンスに優れたモデルに採用。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Twin Quartz
    • SEIKO King Quartz
    • SEIKO Grand Quartz

Cal. 9223

薄型でエレガントなデザインの時計に多く採用されたムーブメント。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Twin Quartz
    • SEIKO King Quartz
    • SEIKO Quartz Chronometer

Cal. 9481

高級なドレスウォッチに採用された、比較的珍しいツインクォーツムーブメント。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Quartz Chronometer
    • SEIKO Grand Quartz
    • SEIKO Superior Twin Quartz

Cal. 9940

最初に登場したツインクォーツムーブメントの一つで、年差±5秒の精度を実現。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Superior Twin Quartz
    • SEIKO Grand Quartz
    • SEIKO King Quartz

Cal. 9942

Cal. 9940の派生バージョンで、同様に高精度を維持したムーブメント。

  • 搭載モデル
    • SEIKO Superior Twin Quartz
    • SEIKO Grand Quartz
    • SEIKO King Quartz

セイコーのツインクォーツムーブメントを搭載したこれらのモデルは、当時の技術の粋を集めた高精度時計として、多くの時計愛好者に支持されました。しかし、その高い生産コストや市場の変化により、ツインクォーツの生産はわずか数年で終了しました。現在では、中古でしか見られない時計となりましたが、その希少性や歴史的価値においても、今でも世界的に根強い人気がある時計となっています。

昔のSEIKOの時計の人気が世界的に高まっています!

SEIKOは当時の時計業界において、技術的にも世界を牽引する存在であったことが伺えます。そして、現在でも当時の技術が再評価されており、世界的なSEIKO人気に繋がっています。日本のメーカーでありながら、日本国内よりも海外市場で評価されているモデルも多くあります。

ALPSTOREでは、海外販路に強みがありますので、SEIKOのヴィンテージ時計などは特に高価買取が期待できます。古くても、電池が止まっている状態でもお買取りが出来る場合もあります。使っていない時計がありましたら、是非一度ご相談くださいませ。